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溝口健二『近松物語』を見ずに死んでいいのか [映画]


近松物語 [DVD]


というわけで溝口健二の『近松物語』(1954年)を見た。
語りつくされているけれどもやはり宮川一夫による映像が半端でなく素晴らしい。
ここまで美しいモノクロ映画はそうそうあるものではない。
どのショットも完璧なので絶句するしかない。

主演は長谷川一夫に香川京子。脇を固める役者たちも凄いがやはり香川京子のエロスの発露が素晴らしい。

物語は一種の心中ものである。

刹那的であるがゆえに一気に臨界点に到達する愛の炎。後半に香川京子の表現する「エクスタシィ~~」な感じがたまらない。やはり真のエクスタシーというものは死が忍び寄ることでしか味わえないのではないか、そんな気さえしてくる。この世界には安穏とした日常を放擲することでしか味わえないエクスタシーというものが存在するのだろう。味わいたいような味わうのが怖いような・・・・。

いずれにせよ、こんな作品を観ないまま死ぬのは哀しすぎる。



コメント(2) 
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コメント 2

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foka

jazzyさん、ご無沙汰しております。
こちらでjazzyさんが絶賛する映画特集があるといいな、と思います。
あっと言う間に今年も後僅かですが、映画や音楽などいろいろ楽しませていただき、ありがとうございました。
激動中の世界、来年がjazzyさんとご家族の皆様にとって健康で平和な年になりますよう願っております。
それではまた。
by foka (2008-12-31 15:12) 

jazzy

fokaさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
なんだか世界中の景気が悪化の一途をたどっておりますが、なんとか生き抜いていきたいです^^
by jazzy (2009-01-03 21:29) 

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